2016年12月30日金曜日

織田信長の戦い(7) - (37歳) 織田&徳川 vs 浅井&朝倉「姉川の戦い」 -

激戦「姉川の戦い」



朝倉と浅井に挟まれながらもどうにか撤退した信長は、岐阜で体制を整え直し2万を超える軍勢で再び攻め寄せます。
 
裏切りに失敗し怒り狂った信長を相手にする浅井軍ですが、1万を超える朝倉家の援軍と共に腹を括ります。(朝倉家当主は参戦せず)


徳川軍5千も到着



信長の同盟軍であり、先の金ヶ崎では同じく撤退に追い込まれた徳川軍も駆けつけます。

ここに信長・徳川連合と、浅井・朝倉連合が姉川を挟んで対峙します。

 

浅井軍の猛攻



後の歴史を知れば信長や家康のビッグネームが圧勝したのかと思いますが、実際は名門浅井・朝倉が決死の奮戦をします。


織田軍は浅井軍と、徳川軍は朝倉軍と正面から激突します。数でも負けていない朝倉が徳川軍に善戦し、奮起された浅井軍も織田軍を押し込みます。


池田恒興、羽柴秀吉、柴田勝家軍も抜かれる



浅井軍の猛攻は止まらず、織田軍の名だたる武将が次々に打ち破られます。

歴史に「もし」は無いものの、序盤は浅井軍の破竹の勢いで下手をすれば信長本陣すら危うかったほど攻め込まれます。


善戦するも徳川軍により朝倉軍敗走



当主は参戦していないものの予想以上に善戦を続ける朝倉軍。

このまま浅井と朝倉で押し込めば歴史が変わっていたかもしれませんが…、そうは徳川が許しません。
 
別動隊の榊原軍が側面を突いたことを転機に、徳川軍が一気に朝倉軍を押し返し、ついには敗走へと追い込みます。


信長の首まであと一歩に迫った猛将遠藤直経



朝倉軍の劣勢と共に徳川軍は織田側にも援軍を回し一気に情勢は傾きます。
 
信長相手に怒涛の快進撃を続けた浅井軍も、無念ながら撤退を余儀なくされます。


しかし、浅井家重臣の遠藤直経は文字通り一矢報いるため、自らの命を使い信長に斬りかかります。

戦死した家臣の首を使い、浅井家重臣として値打ちのある己の首と称して褒美をもらうふりをして本陣に向かいました。


まさに命を賭けた刺し違えを狙いましたが、信長本陣にいて遠藤の顔を知っていた竹中久作(半兵衛の弟)に気付かれ討ち取られます。


激戦を制するも四面楚歌はまだまだ続く



辛くも戦には勝ったものの、朝倉も浅井もまだまだ滅んではおりません。

さらに両家との戦いなど序章に過ぎず、日本中から狙われる信長包囲網が着々と作られていきます。



◇◆関連歴史書(再掲)◆◇


信長はじめの一歩としてお勧めしているのがドラマや映画にもなった下記漫画です。

ドラマ・映画版とは内容は全然異なり、史実のポイントを抑えつつ独特の柔らかさで描く良作だと思います。


進みが遅く半年に一冊しか出ませんが、ファンブックを買うほど応援している作品です。

すでに歴史好きでも「こう描いたか」と描き方を楽しめる世界観だと思います。


『信長協奏曲』





石井あゆみ氏




※詳細は画像より



=============================
 
著者:ひさなお
 
 TOEIC満点、作家、投資家、IT企業グローバル人事、馬券師。
 慶應義塾大学→UCLA→大手IT企業。

  第3回マイナビ作品コンテスト最優秀賞受賞。 

==============================



ブログホーム


親ブログ: 『一歩世界へ』





織田信長の戦い(6) - (37歳) 九死に一生・金ヶ崎撤退戦 -

義弟浅井長政まさかの裏切り



1570年、織田信長は3万の軍勢を率いて越前の朝倉家を攻めます。

再三の上洛命令を無視した朝倉義景を圧倒的な軍勢で討伐するはずでしたが、ここでまさかの事態が発生します。


お市を正室に送った浅井長政が突如裏切り、遠征軍であった信長は一気に袋の鼠となります。


お市が危機を知らせた?



教科書に載っていたり、ドラマや小説では度々出てくるシーンが、浅井長政の裏切りを兄の信長に伝えるため、お市が両端を結んだ小豆袋を送り付けるというものです。

両端を結ぶ、つまり朝倉と浅井に囲まる事態を暗示しています。


このブログでは一貫して伝えてきたように、山本勘助の存在や秀吉の一夜城が「ほぼ作り話」であるのと同様、この逸話もあくまで後付けだとは思います。


大敗に変わりなし



実際は物見と呼ばれる見張りが周囲の状況を伝え、この戦でも多数の物見が浅井長政の裏切りを報告し、信長もようやく信じたそうです。
 
どちらにしろ、このまま戦っては大敗は明確。

信長は命がけの撤退を余儀なくされます。


殿は羽柴秀吉



一刻を争う緊急事態で、信長は周囲の兵だけを率いて一目散に山の中へと逃げます。

一方、信長や他の軍団を逃がすためには誰かが残って浅井家を食い止めねばなりません。


その絶望的な殿を担い注目度を高めたのが後の豊臣秀吉です。

実際にはこの時点では秀吉より格上の明智光秀も残ったそうですが、最後に勝った人間が歴史を作るわけですから、秀吉の武勇伝として残っています。


松永久秀の奮闘でどうにか逃げ切る



少数の兵だけを率いて逃げ続ける信長でしたが、浅井方の武将である朽木元綱の領地を通らねばなりません。


多勢に無勢、戦になれば殺されていたかもしれない状況でしたが、この時点で信長方の武将であった松永久秀の説得で朽木元綱は寝返り、信長はどうにか撤退を成功させます。


ちなみに松永久秀は将軍を暗殺したり大仏を焼いたり、何度も何度も寝返りを繰り返す暴れん坊でした。

後に信長に2回目の謀反を起こした際(1回目はなんと許される)、日本初の爆死という手段で自害します。


四面楚歌の序章に過ぎない



勢力だけを見れば圧倒的な信長が、まさかの義弟の裏切りで命からがらの撤退を強いられたのです。

激昂した信長にあっという間に浅井家は滅ぼされた……のかと思いきや、信長vs日本の戦いはまだ始まったばかりでした。



◇◆関連歴史書(再掲)◆◇


『忍びの国』



著者:和田竜氏



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]
忍びの国 [ 和田竜 ]
価格:637円(税込、送料無料) (2016/12/29時点)


※詳細は画像より


『村上海賊の娘』で本屋大賞を獲った著者の中で、信長が出てくる別の作品です。


一癖も二癖もある伊賀忍者たちが初めて一致団結し、100倍の敵で押し寄せる織田軍団と戦う圧巻の作品


信長がメインでは出てきませんが、主要とはされていない戦を見事に描くセンスと筆力は歴史ファン必読です。



=============================
 
著者:ひさなお
 
 TOEIC満点、作家、投資家、IT企業グローバル人事、馬券師。
 慶應義塾大学→UCLA→大手IT企業。

  第3回マイナビ作品コンテスト最優秀賞受賞。 

==============================



ブログホーム


親ブログ: 『一歩世界へ』






2016年12月29日木曜日

織田信長の戦い(5) - (34歳) 浅井裏切りから始まる6年間の死闘 -

織田軍団最大の危機への始まり…



戦国時代は無論、日本の歴史上で最も有名とも思われる織田信長ですが、彼は決して無敵でも余裕でもありませんでした。


事実、日本中の名だたる勢力に絶えず狙われ意識されながら、どうにか全国統一が見えてきた時にまさかの己の四天王、明智光秀に暗殺されてしまいます。


云わば絶えず戦い続けた織田軍団ですが、最大の危機の一つが始まります。



1567年浅井長政との同盟



前章でも言及した稲葉山城攻めでようやく美濃を手にした頃、信長は浅井家当主長政と同盟を結びます。

後に起こる彼との戦や、勝利後に信長が彼の頭蓋骨を使い何をしたかなどは有名かもしれませんね。



妹のお市を正室に送り込む



信長は長政の正室に妹の市を送り込みます。

この市もまた戦国時代を語る上で重要な人物です。



戦国時代のメインキャスト「浅井三姉妹」



浅井長政やお市も重要ですが、彼らの間に生まれた三姉妹(茶々、初、江)は、文字通り戦国時代を動かす存在になります。


信長に滅ぼされる浅井家、その後暗殺される信長、その信長亡き後秀吉に滅ぼされた柴田勝家、勝家と共に自害したお市。


残った三姉妹は母の市亡き後50年近くに渡り、戦国の終焉と新しい世を走り抜けることになります。



浅井裏切りから始まる6年間の死闘



この浅井家との同盟が裏切られることで、信長は時に絶望的な撤退戦にまで追い込まれます。


ただし、俗に言う「浅井の裏切り」という表現は難しく、厳密には同盟の条件であった朝倉家との不戦を破ったのは信長です。


それでも信長と朝倉との板挟みにあった長政は、朝倉側につくと腹を括った以上信長を全力で消しにかかります。


まさかの義弟によって長年に渡る死闘が幕を開けます。



◇◆関連歴史書◆◇


『忍びの国』



著者:和田竜氏



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]
忍びの国 [ 和田竜 ]
価格:637円(税込、送料無料) (2016/12/29時点)


※詳細は画像より


『村上海賊の娘』で本屋大賞を獲った著者の中で、信長が出てくる別の作品です。


一癖も二癖もある伊賀忍者たちが初めて一致団結し、100倍の敵で押し寄せる織田軍団と戦う圧巻の作品


信長がメインでは出てきませんが、主要とはされていない戦を見事に描くセンスと筆力は歴史ファン必読です。



=============================
 
著者:ひさなお
 
 TOEIC満点、作家、投資家、IT企業グローバル人事、馬券師。
 慶應義塾大学→UCLA→大手IT企業。

  第3回マイナビ作品コンテスト最優秀賞受賞。 

==============================



ブログホーム


親ブログ: 『一歩世界へ』





後に浅井家と衝突する「姉川の戦い」