2016年12月30日金曜日

織田信長の戦い(6) - (37歳) 九死に一生・金ヶ崎撤退戦 -

義弟浅井長政まさかの裏切り



1570年、織田信長は3万の軍勢を率いて越前の朝倉家を攻めます。

再三の上洛命令を無視した朝倉義景を圧倒的な軍勢で討伐するはずでしたが、ここでまさかの事態が発生します。


お市を正室に送った浅井長政が突如裏切り、遠征軍であった信長は一気に袋の鼠となります。


お市が危機を知らせた?



教科書に載っていたり、ドラマや小説では度々出てくるシーンが、浅井長政の裏切りを兄の信長に伝えるため、お市が両端を結んだ小豆袋を送り付けるというものです。

両端を結ぶ、つまり朝倉と浅井に囲まる事態を暗示しています。


このブログでは一貫して伝えてきたように、山本勘助の存在や秀吉の一夜城が「ほぼ作り話」であるのと同様、この逸話もあくまで後付けだとは思います。


大敗に変わりなし



実際は物見と呼ばれる見張りが周囲の状況を伝え、この戦でも多数の物見が浅井長政の裏切りを報告し、信長もようやく信じたそうです。
 
どちらにしろ、このまま戦っては大敗は明確。

信長は命がけの撤退を余儀なくされます。


殿は羽柴秀吉



一刻を争う緊急事態で、信長は周囲の兵だけを率いて一目散に山の中へと逃げます。

一方、信長や他の軍団を逃がすためには誰かが残って浅井家を食い止めねばなりません。


その絶望的な殿を担い注目度を高めたのが後の豊臣秀吉です。

実際にはこの時点では秀吉より格上の明智光秀も残ったそうですが、最後に勝った人間が歴史を作るわけですから、秀吉の武勇伝として残っています。


松永久秀の奮闘でどうにか逃げ切る



少数の兵だけを率いて逃げ続ける信長でしたが、浅井方の武将である朽木元綱の領地を通らねばなりません。


多勢に無勢、戦になれば殺されていたかもしれない状況でしたが、この時点で信長方の武将であった松永久秀の説得で朽木元綱は寝返り、信長はどうにか撤退を成功させます。


ちなみに松永久秀は将軍を暗殺したり大仏を焼いたり、何度も何度も寝返りを繰り返す暴れん坊でした。

後に信長に2回目の謀反を起こした際(1回目はなんと許される)、日本初の爆死という手段で自害します。


四面楚歌の序章に過ぎない



勢力だけを見れば圧倒的な信長が、まさかの義弟の裏切りで命からがらの撤退を強いられたのです。

激昂した信長にあっという間に浅井家は滅ぼされた……のかと思いきや、信長vs日本の戦いはまだ始まったばかりでした。



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『村上海賊の娘』で本屋大賞を獲った著者の中で、信長が出てくる別の作品です。


一癖も二癖もある伊賀忍者たちが初めて一致団結し、100倍の敵で押し寄せる織田軍団と戦う圧巻の作品


信長がメインでは出てきませんが、主要とはされていない戦を見事に描くセンスと筆力は歴史ファン必読です。



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著者:ひさなお
 
 TOEIC満点、作家、投資家、IT企業グローバル人事、馬券師。
 慶應義塾大学→UCLA→大手IT企業。

  第3回マイナビ作品コンテスト最優秀賞受賞。 

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